2020年10月30日 (金)

仙台高裁第1回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団は,2019年12月17日に山形地方裁判所で言い渡された実質的な請求棄却判決を受けて,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟について控訴を提起しております。

控訴審の第1回口頭弁論期日が,10月30日(金)の午後2時30分から,仙台高等裁判所の101号法廷にて行われましたので,その内容を御報告致します。

 

口頭弁論期日にておいては,提出書面についての処理が行われた後,控訴人(一審原告)本人の意見陳述,及び,控訴人代理人による意見陳述が行われました。

控訴人本人の意見陳述においては,事故直後から避難,そしてこれまでの生活における辛さ,苦しみについて,率直な思いを述べていただきました。「原発事故被害者は避難しても地獄,とどまっても地獄」という言葉が,大変印象的でした。

控訴人代理人からは,及川善大団員が責任論(国の規制権限不行使)について,粕谷真生団員が損害論について,それぞれ控訴人が提出した書面の要旨を述べさせていただきました。

責任論の意見陳述についての大きなポイントは,①原判決における違法の判断において,事故発生の危険の切迫性を要件としたことは誤りであり,(仮にそれを要件としても)事故発生の危険の切迫性もあったと言えること,②長期評価に基づき保安院が対応を取ったと主張されているが,実際には東京電力のずさんな報告を黙認,放置したに過ぎないこと,③原判決の事実認定からすると結果回避可能性が認められ,国の規制権限不行使が違法となるのが自然であるが,原判決の認定はその論理及び証明責任の公正な配分の観点からも不当であること,の3点です。

損害論の意見陳述についての大きなポイントは,①原判決における被侵害利益(特に居住移転の自由)に関する認定が不当であること,②避難の合理性を実質的に否定した原判決は,放射線による健康被害に関する理解や,控訴人らの恐怖や不安に関する理解が不十分であること,③慰謝料額については中間指針に無批判に従い,加害者の避難可能性を考慮せず,本来充当すべきでない部分まで弁済の抗弁を認めてしまっており不当であること,という点でした。

 

口頭弁論後の進行協議においては,今後の訴訟進行について協議が行われた後,次回の口頭弁論期日が来年3月15日(月)の午後2時30分から行われることも決定致しました。

 

その後,場所を仙台弁護士会館4階大会議室に移し,報告集会が行われました。

Dsc_0647 

Dsc_0648

Dsc_0651

最初に安部敏団長から挨拶をさせていただき,その後,外塚功事務局長から,本日の期日の概要及び今後の見通しについての説明を致しました。

そして,控訴人代理人の意見陳述を行った粕谷真生団員,及川善大団員から,それぞれ意見陳述の内容についてコメントをさせていただきました。

また,今回の口頭弁論期日には,連携をしている原子力損害賠償群馬弁護団から奈良浩樹弁護士にも参加していただいていたので,応援のコメントを頂戴致しました。

報告集会にご参加いただいた皆様からは,叱咤激励の他,今後の弁護団活動のあり方についても様々なご意見を頂戴致しました。本当にありがとうございます。

 

次回の口頭弁論期日は,来年3月15日(月)の午後2時30分から,仙台高等裁判所の101号法廷にて行われることになっております。

ぜひとも裁判所に足をお運びいただき,控訴人と当弁護団を支えていただければありがたいです。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2020年10月15日 (木)

ADRに関する時効

福島県からの避難者・元避難者の皆様へ

 日頃より当弁護団の活動にご理解とご協力いただき,ありがとうございます。

 さて,民法は損害賠償について「損害を知った時から3年」の時効期間を定めていますが、「原賠時効特例法」により,東京電力に対する請求に関する消滅時効期間については「10年間」となっております。

 したがいまして,法律的に最も不利に考えた場合,令和3年3月11日を過ぎると東京電力に対する請求ができなくなる可能性があります。

 つきましては,東京電力に対するADR(原子力損害賠償紛争解決センターの仲介による話し合いの手続)を行っていない世帯,また,概ね平成27年3月分までのADRを行っていない世帯で,ADRの申立てを希望する方は,以下の連絡先に令和2年11月30日までに御連絡いただけますようお願い申し上げます。

 同日までに,御連絡いただけない場合は,ADRの申立てを令和3年3月11日までにできない可能性がありますのでお含みおきください。

 なお,福島県に戻るための帰還費用については、平成27年4月以降に帰還した場合でも請求が認められるのが通常ですが、この帰還費用のみ請求する場合は,直接ご本人にADRを申立てていただくことになっております。この場合は申立てのための書式をお渡ししますのでお問い合わせください。

連絡先

 ① 担当弁護士(本書面を郵送した弁護士)に御連絡ください。

   ADRを申立てたことがある方につきましては,そのとき対応した弁護士が担当弁護士になります。

 ② 担当弁護士がわからない場合は,以下の窓口に連絡してください。

  ア 電話又は手紙の場合

    〒990-0042                                                              

    山形市七日町1-4-24 フリーランドビル山形6階

    外塚功(とづかいさお)法律事務所

    電話番号023-634-1515

  イ メールの場合

    mukaida@mukaida-law.jp

    むかいだ法律事務所

                                                                                            

 

 

2019年12月27日 (金)

山形地裁判決に対する控訴について(弁護団声明)

2011年(平成23年)3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故により大量の放射性物質が放出され、そのため山形県内等への避難を余儀なくされた避難者やその家族らが被告東京電力ホールディングス株式会社及び被告国に対し損害賠償を求めて山形地方裁判所に提起した集団訴訟の判決が、今月17日、同裁判所で言い渡された。

 

本訴において、原告ら及びその代理人である当弁護団は、わが国において未曾有の重大な原子力事故を発生させ甚大な被害を住民に与えた原発事業者である被告東京電力と、原発事業を国策として推進し、その安全規制を担当する任にあった被告国の責任を明らかにするとともに、事故により生じた類例のない被害の実情を直視し、原告らの精神的損害に対して正当な賠償をなすよう求め、それに関する主張立証を長期にわたる審理の中で積み重ねてきた。

しかしながら、本判決は、大きな争点であった被告国の責任について、予見可能性や結果回避可能性があったことを認めながら、規制権限を行使しなかったことが著しく合理性を欠くとまではいえないとして、その責任を否定した。

また、原賠法により責任を負う被告東京電力が支払うべき賠償額についても、避難指示区域の内外を問わず、いずれの区域に居住していた原告に対しても、その慰謝料額は既に支払われた額を超えることはないとして、まだ被告東京電力から支払をうけていない5名の原告を除き他の原告全員について、請求を全部棄却した。

 

原発事故は万が一にも発生させてはならず、そのためにこそ被告国に強い規制権限が与えられている。したがって、原発事故発生の原因となり得る津波の到来に対する予見可能性や、原発事故の結果回避の可能性があったのであれば、そうでありながら規制権限を行使しなかった被告国の責任は極めて厳しく判断されるのが当然である。現に本訴と同様に国を被告とした集団訴訟において、予見可能性及び結果回避可能性があったとして被告国の責任を認める判断を下した地裁判決が本判決前に9件あった。国策として推進された原発事業において、あれだけの重大かつ深刻な事故が発生した現実を前に、本判決は余りに緩い判断をもって被告国の責任を免れさせたというべきであり、到底納得できない。

また、原告らの精神的苦痛に対する慰謝料についても、本判決は、既に被告東京電力から支払われている金額を超えるものは認められないとし、例えば自主的避難対象区域に居住していた大人の原告らに対する慰謝料は8万円(原紛センターにおける和解の際の整理では4万円)を超えることがないという判断を示した。このような判断が事故時の居住地の如何を問わずほぼ全員の原告に対してなされた例は、これまで各地の集団訴訟ではなかったことである。何よりも本判決は、本件事故により避難を余儀なくされ、苦難に満ちた避難生活を送ることになった原告らの筆舌に尽くせぬ精神的苦痛に対する判断を全く示していない。ことに避難指示区域以外の地域からの避難者に対しては、居住・移転の自由の侵害はなかったとし、平穏な生活を送る利益の侵害があったことだけはかろうじて否定しなかったものの、それに基づく慰謝料を算定するにあたって、避難及びそれに続く避難生活における多方面にわたる精神的被害は一切考慮の外に置いている。原発事故被害の現実を直視せず、それに対する認識を欠き、被害者の苦痛に対する一片の思いやりもない、血の通わぬ冷たい判決というほかはない。

原発事故に対して責任を負うべき被告らに対しては緩く甘く、被害者である原告らに対しては厳しく冷たい、それが本判決の本質的特徴である。

 

本件事故がどれだけの苦しみを人々に与え、困難な道を歩ませることになったのか、それを裁判所に伝え、司法による救済を得るべく本訴に及んだ原告らに対し、本判決はいささかの救済も勇気も与えることなく、ただ失望のみを与えた。それを考えるとき、今回の判決結果は言いようもないほどに残念であり、当弁護団としても痛恨の極みである。

このような判決は断じて容認することができず、本訴の原告らの多数は、本日、仙台高等裁判所あて本判決に対する控訴の申立てを行った。本判決の不当性は明らかであり必ずや控訴審において取り消され、原告らの主張に沿った内容の、本来なされるべき適正な判断が下されるものと確信する。

本判決により大きな打撃を受けながらも控訴の途を選択して再び立ち上がった原告らとともに、本判決に対し直ちに強い批判の声を上げられた全国各地の避難者や弁護団、学者、国民の皆様など多くの方々のご支援を仰ぎながら、当弁護団は、本訴訟の所期の目的を達成するまで闘い抜く決意である。

 

                2019年(令和元年)12月27日

 

                    原発被害救済山形弁護団

                             団長 安部 敏

 

2019年12月17日 (火)

判決

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

原告の皆様730名と被告東京電力ホールディングス株式会社及び被告国との間の,東京電力福島第一原子力発電所事故にかかる損害賠償請求訴訟の判決が,今月17日,山形地方裁判所で言い渡されました。

 

判決はまず,大きな争点であった国の責任の有無について,国に規制権限があったこと,そして原発敷地を超える津波が到来することに対する予見可能性や,原発事故の結果回避可能性を認めながら,予見可能性の程度や予見可能性が生じた後の国の対応などを理由に,国が規制権限を行使しなかったことが合理性を欠くとまではいえないとして,その責任を否定しました。

また,原賠法により無過失責任を負う被告東京電力が支払うべき慰謝料に関しても,今回の判決は,避難指示区域に居住していた原告については,居住・移転の自由や平穏に生活する利益に対する侵害があったとする一方,自主的避難対象区域に居住していた原告については,平穏に生活する利益の侵害はあったが居住移転の自由に対する侵害はなかったとしました。そのうえで,いずれの区域の原告に対しても,その慰謝料額は既に支払われた額を超えることはないとの判断を示して,東京電力からまだ支払いを受けていなかった5名の原告を除き,他の原告全員について,請求を全部棄却しました。

原告らの請求を実質的に全く認めない判決でした。

 

原発事故は万が一にも発生させてはならないものであり,そのために国に規制権限が与えられています。したがって,原発事故発生の原因となり得る津波が到来することに対する予見可能性や,それに基づく事故発生の結果回避可能性があったのであれば,国の規制権限の不行使は厳しく判断されて然るべきです。現に,本判決前に本訴と同じような集団訴訟で国を相手としたものが9件ありましたが,そのうち6件の判決が,予見可能性及び結果回避可能性を認定し,国の責任を認めています。国策として原発事業が推進され,そしてあれだけの重大な事故を発生させて現実に対して,今回の判決はあまりに緩い評価をもって国の責任を免れさせたというべきで,到底納得できるものではありません。

また,原告らの精神的苦痛に対する慰謝料についても,すでに東京電力から支払われている金額で十分だというのが今回の判決です。例えば自主的避難対象区域の原告らの大人に対する慰謝料は8万円(原紛センターのADRの考え方では4万円)を超えないというのです。このような判断が区域の内外を問わずほぼ全員の原告に対して下された例は,これまで同種集団訴訟ではなかったことです。

何よりも,本判決には,原発事故により避難を余儀なくされ,厳しい避難生活を送ることになった原告らの,言葉に言い表すことができないほどの大きな精神的苦痛を本気になって考えてくれた跡が見られません。皆様の陳述書や法廷での供述が果たしてどのように受け止めてもらえたのか,判決は何も語っておらず分かりません。血の通わぬ冷たい判決であるといわざるを得ません。本判決を報じた山形新聞の解説記事も判決を「後ろむきで冷たい」と評していました。

この裁判に込められた原告の皆様の思いを考えますと,今回の判決結果はまことに残念です。勝訴を信じてこれまで闘ってこられた原告の皆様に対して大変申し訳なく,平成25年7月の第1次提訴以来,多くの時間と労力を費やして訴訟を遂行してきたにもかかわらず,それが実を結ばなかったことは当弁護団としても痛恨の極みであります。

しかし,これはまだ一審の判断です。判決が確定したわけでは決してなく,控訴を申し立てて不当な判決の変更を求めることができます。このうえは,控訴審で巻き返しを図るため全力を尽くしたいと思います。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2019年5月21日 (火)

第31回口頭弁論(弁論終結)

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第31回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が令和元年5月21日(火)の午後1時30分から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,原告からは第39準備書面,及び最終準備書面(1)・(2)を提出し,被告東京電力からの弁済の抗弁に対する認否の補足(第39準備書面),及び,これまでの主張・立証を踏まえ,責任論(最終準備書面(1))と損害論(最終準備書面(2))についてのまとめの主張を行いました。

被告東京電力からは,準備書面(37),個別準備書面(1)~(28),及び,最終準備書面(1)・(2)が提出され,損害論についての反論(準備書面(37)),原告本人尋問・証人尋問を実施した世帯についての反論書面(個別準備書面(1)~(28)),及び,これまでの主張・立証を踏まえた上での過失論(最終準備書面(1))及び損害論(第集準備書面(2))についてのまとめの主張を行いました。

被告国からは,第29~33準備書面が提出され,全国で統一的になされている責任論に関する国の総まとめの主張(第29準備書面),及び,これまでの主張・立証を踏まえ,責任論(第31準備書面)及び損害論(第32準備書面)についてのまとめの主張等を行いました。

 法廷においては,原告側からは外塚功事務局長,五十嵐幸弘団員,高橋健団員,安部敏団長が,合わせて30分程度,最終準備書面において述べた原告の主張の要旨を陳述させていただきました。

被告国は35分程度,被告東京電力も15分程度,それぞれの主張の要旨を陳述しております。

 

 以上の手続を経て,裁判所から口頭弁論の終結が宣言されました。

 判決言渡しの期日については,裁判所からは「おって指定する」と言われており,現段階では判決言渡しの日は未定です。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

Img_0215

Img_0220 

Img_0223 

 

最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,判決までの今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

また,山形まで応援に来て下さった,福島原発被害救済新潟県弁護団の近藤明彦事務局長からもご挨拶を頂きました。

 

東日本大震災による原発事故の発生から8年,山形での第1次訴訟の提起から約6年が経過した本件訴訟も,ついに審理が終結致しました。

これまで一緒に闘ってこられた原告の皆様,及び,我々を支えて下さった支援者の皆様に,改めて感謝申し上げます。

裁判所より判決言渡しの期日の連絡が入った際には,こちらでもお伝えさせていただきます。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2019年3月26日 (火)

第30回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第30回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が平成31年3月26日(火)の午後1時30分から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,被告東京電力からは,準備書面(34)~(36)が提出され,実践女子大学・山根純佳准教授の意見書及び証人尋問の内容,及び,宇都宮大学・髙橋若菜准教授の意見書の内容についての考え方の主張や反論(準備書面(35)),及び,原告の皆様に対して被告東京電力が支払った賠償金・和解金の金額についての追加主張(準備書面(34)及び(36))がなされました。

被告国からは,第25~28準備書面が提出され,前回期日で原告が提出した準備書面への反論(第25~27準備書面),及び,原告の皆様に対して被告東京電力が支払った賠償金・和解金の金額についての主張の援用(第28準備書面)がなされました。

原告からは,第38準備書面を提出し,被告東京電力準備書面(34)に対する認否を行いました。

 

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議では,詳細な協議を行い,次回期日に,各当事者に最終準備書面(各当事者の主張の総まとめ)を提出してもらい,審理を終結することが決定致しました。

 

次回の口頭弁論は2019年5月21日(火)の午後1時30分から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

第1次訴訟の提起から5年以上が経過した本件訴訟も終盤を迎えました。

次回の口頭弁論にて,審理が終結する見込みとなり,原告,被告東京電力,及び被告国が,法廷においてそれぞれの考え方を述べる予定です。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

 

Img_0210

Img_0214

 

最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,判決までの今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2018年12月18日 (火)

第29回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第29回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が平成30年12月18日(火)の午後1時30分から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,原告から,①第35準備書面として,津波の予見可能性に関する原告側の総括的主張をまとめた書面を,②第36準備書面として,確率論的安全評価に関する反論の書面を,③第37準備書面として,宇都宮大学の高橋若菜准教授に作成した頂いた意見書(原告の皆様の陳述書の内容を分析したもの)に基づいた被害状況の主張の書面を,それぞれ提出致しました。

被告東電からは,準備書面(30)~(33)が提出され,損害認定の考え方,低線量被ばくに関する主張の補充,過失論に関する主張の補充,原告主張の損害論に対する反論がなされました。

被告国からは,第24準備書面が提出され,津波の予見可能性に関する被告国の総括的な主張がなされました。

 

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議の中では,今後の訴訟進行について詳細な協議が行われ,①次回期日までに,各当事者が提出を予定している主張・立証を終えること,②次々回期日に,各当事者に最終準備書面(各当事者の主張の総まとめ)を提出してもらい,審理を終結する予定とすること,が,それぞれ決定致しました。

 

次回の口頭弁論は平成31年3月26日(火)の午後1時30分から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

また,次々回の口頭弁論は,2019年5月21日(火)の午後1時30分から予定されており,ここで審理が終結する見込みとなりました。

第1次訴訟の提起から5年以上が経過した本件訴訟も終盤を迎え,大変重要な局面となってきております。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

Img_0163

Img_0162

Img_0165

最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2018年10月 3日 (水)

第28回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第28回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が平成30年10月3日(水)の午前10時から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,原告から,①第33準備書面として,原告の皆様の陳述書の内容をまとめた書面を,②第34準備書面として,被告東京電力及び被告国が本件事故の発生を回避できたことについての主張書面を,それぞれ提出致しました。

法廷においても,原告代理人の五十嵐幸弘団員から,第34準備書面の要旨を説明させていただきました。

被告東電からは,準備書面(26)~(29)が提出され,本件事故による精神的損害の考え方,及び,原告の皆様の陳述書に対する認否が示されました。

被告国からは,第23準備書面として,本件事故に関してポイントとなる「長期評価」についての考え方などが示されました。

その後,1日を通して,原告世帯の方に法廷でお話をしていただく,原告本人尋問・証人尋問の手続が行われました。

午前中に1名の原告世帯の方(①郡山市からの母子避難(現在は福島県外に転居)の方)の主尋問及び反対尋問を行いました。

午後には,2名の原告世帯の方(①福島市からの母子避難(その後帰還)の方,②郡山市からの一家避難の方)の主尋問及び反対尋問が行われました。

 本日法廷に立っていただいた原告世帯の皆様も,それぞれ,各世帯での避難による苦痛,苦労など,思い出して話をすることが大変な内容について,しっかりとお話をして下さいました。

 これまで,原告世帯計201世帯のうち,合計で28名の方に法廷にてお話をしていただきましたが,予定されていた原告本人尋問・証人尋問の手続は,今回の期日で全て終了致しました。原告世帯の皆様のこれまでのご協力に対し,厚く御礼を申し上げます。

 

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議の中では,今後の訴訟進行について詳細な協議が行われ,次回期日までに,可能な限り実質的な主張・立証を終えることが決定致しました。

 

次回の口頭弁論は平成30年12月18日(火)の午後1時30分から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

これまでと開廷時間が異なりますのでご注意下さい。

なお,次回以降については,平成31年3月26日(火)の午後1時30分から,口頭弁論が予定されております。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

Img_0099h30103

Img_0104h30103

 

最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2018年7月10日 (火)

第27回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第27回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が平成30年7月10日(火)の午前10時から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,原告から第32準備書面として,原告の皆様の陳述書の内容をまとめた書面を提出致しました。

その後,1日を通して,原告の方に法廷でお話をしていただく,原告本人尋問の手続が行われました。

午前中に2名の原告の方(①福島市からの母子避難の方,②福島市からの母子避難→一家避難の方)の主尋問及び反対尋問を行いました。

午後には,2名の原告の方(①福島市からの週末避難の方,②福島市からの母子避難(その後帰還)の方)の主尋問及び反対尋問が行われました。

 本日法廷に立っていただいた原告の皆様も,それぞれ,各世帯での避難による苦痛,苦労など,思い出して話をすることが大変な内容について,しっかりとお話をして下さいました。

 

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議の中では,今後の訴訟進行について詳細な協議が行われ,次回期日では3名の原告本人尋問を実施することが正式に決定致しました。

 

次回の口頭弁論は平成30年10月3日(水)の午前10時から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

いつもと開廷の曜日が異なりますのでご注意下さい。

なお,次回以降については,平成30年12月18日(火)の午後1時30分から,口頭弁論が予定されております。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

Img_0093

 

最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2018年5月15日 (火)

第25回,第26回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第25回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が平成30年4月17日(火)の午後1時30分から,第26回口頭弁論が同年5月15日(火)の午前10時から,それぞれ山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

第25回口頭弁論においては,担当する裁判官が交替したため,弁論更新(新しい裁判官に,これまでの主張等の内容を引き継ぐこと)の手続が行われ,原告,被告東京電力,及び被告国のこれまでの主張をまとめた内容が,それぞれ法廷で述べられました。

 

第26回の口頭弁論においては,1日を通して,原告の方に法廷でお話をしていただく,原告本人尋問の手続が行われました。

午前中に2名の原告の方(①福島市からの母子避難→一家避難の方,②福島市からの母子避難の方)の主尋問及び反対尋問,1名の原告の方(二本松市からの避難の方)の主尋問を行いました。

午後には,午前に主尋問を途中まで行った原告の方の反対尋問,及び,2名の原告の方(①いわき市からの一家避難の方,②南相馬市原町区からの一家避難の方)の主尋問及び反対尋問が行われました。

 本日法廷に立っていただいた原告の皆様も,それぞれ,各世帯での避難による苦痛,苦労など,思い出して話をすることが大変な内容について,しっかりとお話をして下さいました。

 

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議の中では,今後の訴訟進行について詳細な協議が行われ,次回期日では4名の原告本人尋問を実施することが正式に決定致しました。

 

次回の口頭弁論は平成30年7月10日(火)の午前10時から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

なお,次回以降については,平成30年10月3日(水)の午前10時から,及び,12月18日(火)の午後1時30分から,いずれも口頭弁論が予定されております。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

Img_0057

最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

«第24回口頭弁論(当事者尋問第4回)