2017年10月31日 (火)

第22回口頭弁論(当事者尋問第2回)

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第22回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が平成29年10月31日(火)の午前10時から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,被告東京電力から準備書面(24)が提出され,原告の皆様に対して被告東京電力が支払った賠償金・和解金の金額についての主張がなされました。

また,被告国からは,これまでの被告国の主張をまとめたものである,第20準備書面が提出されました。

その後,午前中は原告の方に法廷でお話していただく,原告本人尋問の手続が行われ,2名の原告の方(①福島市からの母子避難の方,②福島市からの一家避難(その後帰還)の方)にお話をしていただきました。

午後には,まず,東日本大震災発生時に山形大学人文学部に勤務しておられた社会学者である,実践女子大学・山根純佳准教授の専門家証人尋問(反対尋問)が行われました。

前回もご紹介させていただきましたが,山根准教授は,山形県内に避難された避難者のうち,主として母子避難の避難者にスポットを当てて聞き取りやアンケート調査を行い,その内容から,社会学の観点での分析を行った方です。

 いわゆる自主的避難者も,避難するかしないかの選択を迫られたことにより,大きな精神的苦痛を味わっている,ということについて,被告らの反対尋問に対しても,しっかりと反論をしていただくことができました。

 その後,原告本人尋問が行われ,1名の原告の方(福島市からの一家避難の方)にお話をしていただきました。

 今回の期日でも,裁判官は,各原告の話にしっかりと耳を傾け,話を聞いてくれたと思います。

 

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議の中では,今後の訴訟進行について詳細な協議が行われ,次回期日では6名の原告本人尋問を実施することが正式に決定致しました。

また,次々回以降の期日での原告本人尋問の進め方についても協議がなされました。

 

次回の口頭弁論は平成30年1月17日(水)の午前10時から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。通常と曜日が異なりますのでご注意下さい。

この日は,午前から午後にかけて,合計6名の原告本人尋問を行う予定です。

 

なお,次回以降については,平成30年2月27日(火),同年5月15日(火),7月3日(火)にいずれも口頭弁論が予定されており(時間はいずれも午前10時から),原告本人尋問を行う予定です。

当初は,平成30年3月6日(火)に口頭弁論が予定されておりましたが,2月27日(火)に変更となりました。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

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最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,本日提出された書面及び今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

また,山形まで応援に来て下さった,福島原発被害救済新潟県弁護団の遠藤達雄団長,原子力損害賠償群馬弁護団の長谷川亮輔弁護士からもご挨拶を頂きました。

 

なお,前回の期日から本日の期日までの間,全国各地で提起されている避難者訴訟のうち,9月22日(金)に千葉地方裁判所で,10月10日(火)に福島地方裁判所で,それぞれ判決が言い渡されましたが,その判決の内容については,決して納得できるものではありませんでした。

 当弁護団としても,その判決内容を精査し,今後の山形での訴訟に活かしていきたいと考えております。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2017年9月11日 (月)

第21回口頭弁論(当事者尋問開始)

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第21回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が平成29年9月11日(月)の午前10時から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,原告から第30準備書面を提出し,原告の皆様が被告東電から支払いを受けた賠償金・和解金の金額についての認否のまとめを行いました。

その後,まずは,東日本大震災発生時に山形大学人文学部に勤務しておられた社会学者である,実践女子大学・山根純佳准教授の専門家証人尋問(主尋問のみ)が行われました。

山根准教授は,山形県内に避難された避難者のうち,主として母子避難の避難者にスポットを当てて聞き取りやアンケート調査を行い,その内容から,社会学の観点での分析を行った方です。

 いわゆる自主的避難者も,避難するかしないかの選択を迫られたことにより,大きな精神的苦痛を味わっている,ということについてお話をしていただくことができました。

 そして,原告の方が法廷にてお話をしていただく,原告本人尋問の手続も始まりました。

 本日は,①郡山市からの母子避難(その後夫が合流)の方,②南相馬市原町区からの一家避難(その後帰還)の方,③伊達郡からの母子避難(現在も避難継続中)の方の,合計3名にお話をしていただきました。

 裁判官も,各原告の話にしっかりと耳を傾け,話を聞いてくれたと思います。

 

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議の中では,今後の訴訟進行について詳細な協議が行われ,次回期日では3名の原告本人尋問,及び山根准教授の専門家証人尋問(反対尋問)を実施することが正式に決定致しました。

また,次々回以降の期日での原告本人尋問の進め方についても協議がなされました。

 

次回の口頭弁論は平成29年10月31日(火)の午前10時から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

この日は,午前中に2名の原告本人尋問を,午後に山根准教授の専門家証人尋問(反対尋問)及び1名の原告本人尋問を行う予定です。

 

なお,次回以降については,平成30年1月17日(水),同年3月6日(火),同年5月15日(火),7月3日(火)にいずれも口頭弁論が予定されております(時間はいずれも午前10時から)。

平成30年1月17日(水)以降は,原告本人尋問を行うことになる予定です。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

 

最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,本日提出された書面及び今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

また,本日の原告本人尋問に立っていただいた原告の方や,尋問を担当した弁護士からもコメントをさせていただきました。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2017年8月 3日 (木)

第20回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第20回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が平成29年8月2日(水)の午後1時30分から山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,被告東京電力からは準備書面(22)及び(23)が提出され,これまでに被告東京電力から原告の皆様に支払われた賠償金・和解金についての整理がなされました。また,これまでの裁判例に関する主張もされております。

被告国からは,第17・18・19準備書面が提出され,以下の内容の主張がなされました。

(1)被告国第4・5準備書面の誤記の訂正(第17準備書面)。

(2)中間指針等は裁判規範ではないものの合理的である上,賠償の範囲や額としても被災者に十分配慮されたものであり,被災者ごとに生じた個別の特別事情についても,中間指針等で示された賠償範囲や額で十分に填補されているので,既に被告東電が支払った賠償額により,国の賠償額は填補されている(第18準備書面)。

(3)国会事故調査報告書の記述には種々誤りが見受けられることから,国会事故調査報告書の内容を精査することなく,全面的に信用できるとの誤った判断の下で,事実認定及び評価の基礎とすべきではない(第19準備書面)。

 

原告からは,第29準備書面を提出し,原告の皆様が被告東電から支払いを受けた賠償金・和解金の金額についての認否の補充を行っております。

 

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議の中では,今後の訴訟進行について詳細な協議が行われ,各当事者の大枠の主張が今回までで終了したことを確認した上で,次回口頭弁論期日から専門家証人尋問及び原告本人尋問に入っていくことが正式に決定致しました。

 

次回の口頭弁論は平成29年9月11日(月)の午前10時から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。曜日・開廷時間がこれまでと異なりますのでご注意下さい。

この日は,午前中に専門家証人尋問の主尋問,及び1名の原告本人尋問を行い,午後に2名の原告本人尋問を行う予定です。

 

なお,次回以降については,10月31日(火),平成30年1月17日(水),同年3月6日(火),同年5月15日(火)にいずれも口頭弁論が予定されております(時間はいずれも午前10時から)。

10月31日(火)は専門家証人尋問の反対尋問及び原告本人尋問を,平成30年1月17日(水)以降は原告本人尋問を行うことになる予定です。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

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最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,本日提出された書面及び今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2017年7月11日 (火)

第19回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第19回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が平成29年7月11日(火)の午後1時30分から山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,被告東京電力からは準備書面(21)が提出され,本件事故の発生に関しては,予見可能性及び結果回避のいずれの面からしても,被告東京電力に慰謝料増額を基礎付けるような故意ないし重過失はもちろんのこと,過失自体が認められる余地がない,という,これまでと同様の主張をしてきました。

被告国からは,第16準備書面が提出され,以下の内容の主張がなされました。

(1)被告国が本件事故発生前に規制権限を行使した場合,当該規制権限の行使が違法であると評価されかねなかったので,そのような規制権限は法的義務として被告国に課せられていたとはいえない。

(2)最高裁判所のこれまでの判決の枠組みを踏まえても,被告国が規制権限を行使しなかったことは違法と評価されるものではない。

(3)本件事故発生前における工学的知見に照らせば,原告が主張するような結果回避措置を講ずべき義務が導き出されることにはならないし,仮に結果回避措置を講じたとしても本件地震による津波の遡上を防げず,本件事故発生を回避することはできなかった。

原告からは,第26・27・28準備書面を提出し,概略以下の内容の主張を行いました。

(1)責任論に関する反論・補充(第26準備書面)

  ・平成14年の地震調査研究推進本部による長期評価については信用でき,被告東電はそれに基づく試算を平成20年に行っている。

・予見対象は「敷地高を超える津波」であり,被告らは少なくとも平成18年溢水勉強会の段階でそれを認識している。

  ・IAEA事務局長報告書の見解をとっても,それが安全性の脆弱性を否定することにはつながらない。

・予見可能性の有無の判断について重要なのは,学者の後日の見解ではなく,被告らが何時ころどのような情報を得ていたかである。

  ・被告国が提出している各意見書は,一般論を述べた一見解に過ぎない。

(2)避難継続の合理性に関する補充(第27準備書面)

・いまだ帰還の条件は整っておらず,帰還には様々な障害がある。また,各種調査の結果は住民の不安が拭い去られていないことを示している。よって,避難継続という原告の行動は合理的であり,帰還した原告についても精神的苦痛から解放されて生活しているわけではない。

・避難継続という原告の行動は合理的であり,一部の原告が福島県に帰還したのは避難継続の必要性が消滅したからではない。

(3)原告の皆様が被告東電から支払いを受けた賠償金・和解金の金額についての認否(第28準備書面)

 

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議の中では,今後の主張及び立証について詳細な協議が行われ,次回口頭弁論期日までを目途に主張整理を行い,その後に専門家証人尋問及び原告本人尋問に入っていく方向で,今後の手続を進めていくこととなりました。

 

次回の口頭弁論は平成29年8月2日(火)の午後1時30分から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

次回は,被告国から,これまでの原告の主張に対する反論が行われる予定です。

原告からも引き続き,被告東京電力の弁済の抗弁に対する認否を行う予定にしております。

また,次回に,今後の証拠調べ(専門家証人尋問及び原告本人尋問)の進め方を決定することになると思われます。

なお,次回以降については,9月11日(月),10月31日(火),平成30年1月17日(水)にいずれも口頭弁論が予定されており,ここで証拠調べ(専門家証人尋問及び原告本人尋問)が行われることが予想されます。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

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最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,本日提出された書面及び今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

また,山形まで応援に来て下さった,福島原発被害救済新潟県弁護団の大田陸介弁護士,原子力損害賠償群馬弁護団の関夕三郎事務局長からもご挨拶を頂きました。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2017年5月16日 (火)

第17回,第18階口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第17回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が平成29年3月14日(火)に,第18回口頭弁論が平成29年5月16日(火)に,いずれも午後1時30分から山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

まず,3月14日(火)の第17回口頭弁論においては,被告国からは,第14準備書面が提出され,原子炉施設の安全確保対策の法体系からすると,平成24年の炉規法改正に至るまでシビアアクシデント(重大事故)対策は法規制の対象とされていなかった,という主張がなされました。

原告からは,第23準備書面を陳述し,責任論に関して,以下のような主張を行いました。

(1)被告国には,原発事故の重大さゆえに,万が一にも原発事故が発生しないよう科学の進展やそれに伴って諸外国において強化されてきた原発の安全対策等について,不断に情報収集・調査を実施し,常にアップデートされた情報に基づき,最新の科学技術水準へ即応すべき高度の注意義務が課されている(電気事業法,災害対策基本法にその根拠がある。)。

(2)被告国は,高度の注意義務をもって被害の発生を予見したうえで防止する対策を行わなければならず,具体的には,原発事故がどのような原因でどのように発生するのかを常に調査研究し,技術の導入元である外国の情報も常に収集する必要がある。被告国の予見可能性の有無は,広範囲かつ詳細に行われた調査・情報収集を前提として判断されなければならない。

結果回避可能についても,前述の調査義務・情報収集を尽くしたうえでのあるべき知識を前提に判断されるべきであり,当該原発ではその知識(知見や教訓)を必要とする事態が発生することがおよそ考えられないことが科学的に明らかである等,その対策を行う必要がないことが確定的に明らかにならない限りは,その知見・教訓に基づく対策を迅速に講じなければならない。

(3)本件事故原因,被告国の予見可能性の時期,結果回避可能性と回避措置については,その都度予見可能な時期に結果回避措置を被告東電に求めるべく改善命令をすべきであった。

その時期として,まずは長期評価が策定された2002(平成14)年時点が考えられるが,被告国は長期評価の策定後,津波の評価・解析を自ら行うことすらせず,その後も津波対策の必要性が指摘される機会が幾度もありながら,本件事故発生まで事業者の自主的報告を待つだけという対応に終始した。

次に,2006(平成18)年に従来の耐震設計審査指針が改訂され(新指針),新たに発電用原子炉施設において「併用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があると想定することが適切な津波によっても,施設の安全機能が重大な影響を受けるおそれがないこと」が要求されたため,被告国が設置した安全情報検討会が各事業者からの津波影響評価の結果を平成20年度中に確認するとしていた。にもかかわらず,その後何も対応がされなかった。

 

また,原告からは第24準備書面も提出し,原告の皆様が被告東電から支払いを受けた賠償金・和解金の金額についての認否も行いました。

 

今回の第18回口頭弁論において,被告東京電力からは準備書面(19)(20)が提出され,ADRでの和解には裁判規範性がないこと(準備書面(19)),及び,IAEA(国際原子力機関)事務局長報告書の記載に基づいても被告東京電力の法的責任は基礎づけられないこと(準備書面(20))について主張をしてきました。

被告国からは,第15準備書面が提出され,原発事故前の科学的知見に照らせば予見可能性は認められない,という主張がなされました。

原告からは,第25準備書面を陳述し,前回口頭弁論期日に引き続き,原告の皆様が被告東電から支払いを受けた賠償金・和解金の金額についての認否を行いました。

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議の中では,今後の主張及び立証について詳細な協議が行われ,次回口頭弁論期日までを目途に主張整理を行い,その後に専門家証人尋問及び原告本人尋問に入っていく方向で,今後の手続を進めていくこととなりました。

 

次回の口頭弁論は平成29年7月11日(火)の午後1時30分から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

次回も,被告東京電力及び被告国から,これまでの原告の主張に対する反論が行われる予定です。

原告からも引き続き,これまでの被告東京電力及び被告国の主張に対する反論を行う予定にしております。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

 

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最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,本日提出された書面及び今後の見通しについての詳細な説明を致しました。

 

 なお,全国各地にて山形と同様の訴訟が提起されておりますが,前橋地裁にて,平成29年3月17日(金)午後3時より判決が言い渡されました。

 判決では,被告東京電力及び被告国の責任を認めたものの,損害の認容額としては極めて低額にとどまっております。

 当弁護団でも,この判決内容を精査し,山形での訴訟に活かしていく所存です。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2017年2月 3日 (金)

第16回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第16回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が,平成29年1月31日(火)午後1時30分から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,被告東京電力からは準備書面(16)(17)(18)が提出され,避難指示区域や自主的避難等対象区域のこれまでの経過及び除染状況等について主張をしてきました(準備書面(16)及び同(17))。

また,被告東京電力からは,原告が主張するような高さの津波を予見することはできなかったので,結果回避措置を講ずべき義務を負わない,という主張も改めて出てきました(準備書面(18))。

被告国からは,第13準備書面が提出され,本件事故後の避難指示等について,国に不適切な点はなかった,という主張がなされました。

原告からは,第22準備書面を陳述し,責任論に関して,以下のような主張を行いました。

(1)本件事故の原因は,福島第一原子力発電所内の電源系統の設置状況において,非常用ディーゼル発電機本体も非常用高圧配電盤もほとんどが地下に設置されていたため,津波による浸水,被水によって,それら機器が機能を喪失し、電源喪失に至ったことに尽きる。

 原発設置後の科学的知見の進展によって新たに津波到来可能性を認識し得るに至った場合,被告国は,想定しうるに至った津波高に耐えうる安全対策を講じるよう原発事業者を規制・監督する義務があり,被告東電は,その対策を具体化して結果回避措置を講じる義務があったが,被告らはこれを怠った。

(2)被告らの本件結果回避措置を講じる義務が発生した時期は,遅くても東電が長期評価に沿った想定津波の試算を実施した2008(平成20)年5月頃である。

(3)具体的な結果回避措置の考え方の方向性としては,①そもそも被水することを防ぐ,②被水しても非常用安全設備が浸水することを防ぐ,③非常用安全設備を被水しない場所に増設ないし移設するという3通りがある。

 ア 防潮堤は,敷地南側付近に高さO.P.+23mの防潮堤が設置されていれば,相当の防御効果があったものと推認される。

イ 水密扉は,浸水深7mの水圧に耐えられる仕様のもの水密扉が備えられていれば,本件津波は推定浸水深4.5mであったのだから,水密機能を維持することができたものと推認できる。

ウ 電源盤等については,より高所に建屋を新設し,そこに非常用ディーゼル発電機(なお、水冷式は冷却材確保の必要があるため、空冷式が採用されるべきである。)や配電盤を設置するのが合理的であったところ,本件原発の西側の高台(O.P.+35m)の上に設置すべきであった。

 

今回の期日では,五十嵐幸弘弁護士が原告第22準備書面の要旨について,意見陳述を行なっております。

また,今回の期日において,原告の皆様にご協力を頂き作成した陳述書のうち,22世帯分の陳述書を,裁判所に書証として正式に提出致しました。

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

進行協議の中では,今後の主張及び立証について詳細な協議が行われ,平成29年7月11日(水)の期日までを目途に主張整理を行い,その後に専門家証人尋問及び原告本人尋問に入っていく方向で,今後の手続を進めていくこととなりました。

 

次回の口頭弁論は平成29年3月14日(火)の午後1時30分から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

次回も,被告東京電力及び被告国から,これまでの原告の主張に対する反論が行われる予定です。

原告からも引き続き,これまでの被告東京電力及び被告国の主張に対する反論を行う予定にしております。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

その後,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

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最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,本日提出した原告第22準備書面についての詳細な説明を致しました。

また,及川善大弁護士から,ADRの現状についても報告させていただきました。

 

 なお,全国各地にて山形と同様の訴訟が提起されておりますが,前橋地裁の訴訟は3月17日(金)午後3時より判決が言い渡されることになっております。

 また,山形地裁の訴訟と同じ日に開かれた千葉地裁の訴訟が結審し,9月22日(金)の午後2時より判決が言い渡されることとなりました。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2016年11月15日 (火)

第15回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第15回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が,平成28年11月15日(火)午後1時30分から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,被告東京電力からは準備書面(14)及び(15)が提出され,いわゆる低線量被ばくの程度は年間20ミリシーベルトを大きく下回る上,内部被ばくについても健康に影響が及ぶ程度には至っていないため,中間指針等で示された期間を超える避難の合理性はない,という主張をしてきました(準備書面(14))。

また,被告東京電力からは,各原告に対し,これまでにどれだけの賠償金が支払われたか,という,いわゆる「弁済の抗弁」の主張も出てきました(準備書面(15))。

被告国からは,第11準備書面及び第12準備書面が提出され,中間指針等で示された精神的苦痛に対する賠償の範囲を超える部分については,不安感や危惧感などにとどまるものは本件事故との間に相当因果関係が認められる損害とは言えない(第11準備書面),平成20年に行われた東電津波試算は信頼性の高い予測方法とは言えない上,試算結果によっても非常用電源設備等が機能喪失することは明らかでないため,津波の到来を予見することはできなかった(第12準備書面),という主張がなされました。

原告からは,第21準備書面を陳述し,責任論に関して,以下のような主張を行いました。

(1)平成23年3月30日付け「平成23年福島第一・第二原子力発電所事故を踏まえた他の発電所の緊急安全対策の実施について(指示)」や,保安院の緊急安全対策が設計基準レベルを超えた津波を起因とする事故が現に発生した事実を踏まえて,そのような場合でもシビアアクシデントに至ることのないよう求めていることからすれば,シビアアクシデントの防止策としてのSA対策を明らかに含むものである。

(2)原子力法制は,原子力の安全に関して科学技術が進展すれば,それに応じた法解釈を行うべきである。そもそも原子力の利用は当初から確定的な科学技術の知見に基づいてなされているわけではなく,完全に制圧できない重大な危険を抱えながら,それを承知で「国策民営」のかたちで始められたものである以上,専門的知見の向上や変化によって当初の規制基準や規制監督の実施内容が変わったとしても,事業者においてはこれを甘受すべきである。

(3)原子力法制の趣旨や解釈からすれば,経済産業大臣は,基本設計ないし基本的設計方針の安全性に関わる事項を是正するために、電気事業法40条に基づく技術基準命令を発令することができた。

(4)①本件事故直後に保安院が電気事業者に対して取り組むよう求めた津波に対する緊急安全対策,②諸外国や国内の他の原発の事例からすると,全電源喪失対策,シビアアクシデントを防ぐための最低限の対策としてのSA対策は,本件事故の時点までに実施しようとすればできたこと,③被告国が本件事故に至るまで,津波を原因事象とするSA対策を行わなかったのは,被告国が外的事象に基づくSA対策について,これを事業者の自主対策としても積極的に求めなかったためであり,被告国は津波等の外部事象に基づくSA対策を推進すべきであったことなどから,津波等に関する確率論的安全評価の研究や実施が進まなかった責任は被告国が負うべきである。

 

今回の期日では,安部敏団長が原告第21準備書面の要旨について,意見陳述を行なっております。

また,今回の期日において,原告の皆様にご協力を頂き作成した陳述書のうち,45世帯分の陳述書を,裁判所に書証として正式に提出致しました。

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

 

次回の口頭弁論は平成29年1月31日(火)の午後1時30分から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

次回も,被告東京電力及び被告国から,これまでの原告の主張に対する反論が行われる予定です。

原告からも引き続き,これまでの被告東京電力及び被告国の主張に対する反論を行う予定にしております。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

午後3時05分からは,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

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 最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,本日提出した原告第21準備書面についての詳細な説明を致しました。

また,山形まで応援に来て下さった,福島原発被害救済新潟県弁護団の遠藤達雄団長,原発事故責任追及訴訟埼玉弁護団の松浦麻里沙弁護士,原子力損害賠償群馬弁護団の関夕三郎事務局長からもご挨拶を頂きました。

 

 なお,全国各地にて山形と同様の訴訟が提起されておりますが,前橋地裁の訴訟は10月31日(月)に結審し,来年3月17日(金)午後3時より判決が言い渡されることになりました。

 また,新潟地裁の訴訟では,来年1月25日(水)の午後1時30分から,原告本人尋問が始まります。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2016年9月13日 (火)

第14回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第14回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が,平成28年9月13日(火)午後1時30分から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,原告から,第20準備書面を陳述し,責任論に関して,以下のような主張を行いました。

(1)被告東京電力が平成20年に行った津波高の試算(東電津波試算)は,長期評価を無視しえず,それを否定できない状況になったことから,長期評価に基づき試算せざるを得なかったのは明白であって,仮想のうえでの試みの計算などとは言えない。

(2)被告東京電力は,平成20年9月10日社内での耐震バックチェック説明会において,「地震及び津波に関する学識者のこれまでの見解及び推本の知見を完全には否定することは難しいことを考慮すると,現状より大きな津波高を評価せざるを得ないと想定され,津波対策は不可避」ということを確認している。

(3)平成27年9月に公表された,福島第一原発事故に関するIAEA(国際原子力機関)事務局長報告巻頭言及び要約において,IAEAも東電津波試算を評価しつつ,被告東京電力が対策を怠った旨,及び,「安全系の脆弱性」を戒めとして指摘している。

   この報告書では,「原子力発電所の安全は、知見の進歩を考慮して定期的に再評価する必要がある。必要な是正措置又は補完措置が速やかに実施される必要がある。」とも指摘されており,被告東京電力には,東電津波試算に基づき必要な対策を速やかにとることが求められていた。

(4)原告らは,事故の原因となったSBOが発生するには敷地高を超えて津波高があればよく,それを予見し得たかが争点としている。被告東京電力は,溢水勉強会にて「敷地レベル+1メートルの津波でSBOが発生する」ことを保安院らとの勉強会で想定していた。なお,東電津波試算によれば,南側敷地では15.7メートルの津波高と試算されているが,現実起こった本件津波高と同程度であった。

(5)被告東京電力は,平成14年7月に長期評価が公表された直後から,長期評価を無視し得ないと思ったことは事実であり,この段階で試算を行うことが可能であっただけでなく,この段階で試算を行っていれば,東電津波試算の数値を得ることは容易であった。

 

今回の期日では,外塚功事務局長が原告第20準備書面の要旨について,意見陳述を行なっております。

また,今回の期日において,原告の皆様にご協力を頂き作成した陳述書のうち,111世帯分の陳述書を,裁判所に書証として正式に提出致しました。

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

 

次回の口頭弁論は平成28年11月15日(火)の午後1時30分から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

次回も,被告東京電力及び被告国から,これまでの原告の主張に対する反論が行われる予定です。

原告からも引き続き,これまでの被告東京電力及び被告国の主張に対する反論を行う予定にしております。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

午後2時30分からは,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

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最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,本日提出した原告第20準備書面についての詳細な説明を致しました。

また,山形まで応援に来て下さった,福島原発被害救済新潟県弁護団の猪俣啓介弁護士,原発事故責任追及訴訟埼玉弁護団の満尾直樹弁護士,原子力損害賠償群馬弁護団の舘山史明事務局次長からもご挨拶を頂きました。

その後,外塚功事務局長からADRの現状についても報告をさせていただきました。

合わせて,いわゆる自主的避難等対象区域からの避難者のADRについて,現在問題になっている点についても御報告をさせていただきました。

ADRでも一定額の支払を受けられるケースが多くなっておりますので,まだ一度もご相談をされたことがない被災者の方も,一度ADRの申立てを行った被災者の方も,まずは当弁護団にご相談していただければと思います。相談料は無料です。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2016年7月12日 (火)

第13回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第13回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が,平成28年7月12日(火)午後1時30分から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

今回の口頭弁論においては,被告国は,第10準備書面を陳述し,平成11年3月に国土庁(当時)が作成した「津波浸水予測図」が,①一般的な防災目的を念頭において作成されたものであり,原子力発電所における安全対策に活用する目的で作成されたものではないこと,②福島第一原発における浸水範囲及び浸水深を具体的に特定したものではないことを理由として,「津波浸水予測図」は個々の具体的地点における津波による浸水範囲及び浸水深を厳密に特定したものではないから,それを根拠に,福島第一原発の敷地高を超える津波の到来につき被告国に予見可能性があったという原告の主張は理由がない,という主張をしてきました。

被告国の主張を分かりやすくまとめると,「確かに『津波浸水予測図』は作成したが,それは原発の安全対策のために作成したものではなく,具体的な津波の浸水範囲及び浸水の深さを厳密に特定もしていないものなので,それを作成したとしても,被告国は,福島第一原発の敷地高(海面から+10メートル)を超える津波が来ることを予測することはできなかった」ということになります。

また,被告東京電力は,準備書面(13)を陳述し,被告東京電力が2008年(平成20年)に行った試算は仮の想定のもとに行ったものであり,試算を行ったことにより,その前提となる科学的合理性が確認されるという関係に立つものではない,等と述べ,試算を行ったことをもって津波が来ることを予測できたとはいえない,という内容の主張をしてきました。

原告からは,第19準備書面を陳述し,損害論に関して,以下のような主張を行いました。

(1)中間指針等の策定過程には,被害実態を把握しないまま策定された,被告東電の立場に配慮して策定されたという問題がある

(2)中間指針等は,迅速性を優先してあくまで当面の最低限の賠償を示すものとして策定された暫定的なものにすぎず,賠償範囲を制限したり,賠償額の上限を画したりするものではない

(3)中間指針等は,賠償基準として合理性・相当性を欠く

(4)被害実態を総体的に捉える必要があるために「包括的生活利益としての平穏生活権」という権利による理解が必要である

 

今回の期日では,細江大樹弁護士が原告第19準備書面の要旨について,意見陳述を行なっております。

また,今回の期日において,原告の皆様にご協力を頂き作成した陳述書のうち,111世帯分の陳述書を裁判所に提出致しましたが,事務処理の都合上,証拠としての取り調べは次回の口頭弁論以降に行われる予定です。

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

 

次回の口頭弁論は平成28年9月13日(火)の午後1時30分から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われます。

次回も,被告東京電力及び被告国から,これまでの原告の主張に対する反論が行われる予定です。

原告からも引き続き,これまでの被告東京電力及び被告国の主張に対する反論を行う予定にしております。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

午後2時30分からは,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

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最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,本日提出した原告第19準備書面についての詳細な説明を致しました。

また,山形まで応援に来て下さった,福島原発被害救済新潟県弁護団の二宮淳悟弁護士からもご挨拶を頂きました。

その後,向田敏事務局次長からADRの現状についても報告をさせていただきました。

合わせて,いわゆる自主的避難等対象区域からの避難者のADRについて,現在問題になっている点についても御報告をさせていただきました。

当弁護団でのADRにおいては,本日時点で500件の和解が成立しており,一度ADR申立てを行った方の第2次申立てについても増加しつつあります。

ADRでも一定額の支払を受けられるケースが多くなっておりますので,まだ一度もご相談をされたことがない被災者の方も,一度ADRの申立てを行った被災者の方も,まずは当弁護団にご相談していただければと思います。相談料は無料です。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

2016年5月24日 (火)

第12回口頭弁論

原発被害救済山形弁護団では,山形地方裁判所に,東京電力株式会社(商号の変更により,現在は「東京電力ホールディングス株式会社」となっておりますが,以下では単に「東京電力」と記載します。)及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しております。

平成25年7月23日に第1次訴訟を,平成26年3月10日に第2次訴訟を,平成27年3月11日にも第3次訴訟を,それぞれ提起致しました。

第1次訴訟の第12回口頭弁論(第2次及び第3次訴訟を併合済み)が,平成28年5月24日(火)午後1時30分から,山形地方裁判所本館4階の第3号法廷にて開かれました。その時の様子をご報告致します。

 

まず,裁判官の構成が変わったことにより,「弁論の更新」という手続が行われました。これにより,これまでの口頭弁論期日にて行った主張・立証が,新しい裁判官に対しても行ったものとして扱われます。

今回の口頭弁論においては,被告国は,第9準備書面を陳述し,以下のような主張をしてきました。

(1)我が国の法制度上,平成24年度の炉規法改正に至るまで,シビアアクシデント(SA:過酷事故)対策は法規制の対象とされていなかった

(2)経済産業大臣は,基本設計及び基本的設計方針の安全性に関わる事項を是正するために,電気事業法40条に基づく技術基準適合命令を発令することはできない

(3)津波を原因事象とするシビアアクシデント対策への対策を求めていなかったことが著しく合理性を欠くとはいえない

これらは,これまで被告国が行ってきた主張の繰り返しなのですが,一言で言うと「法律上は,原発事故発生当時は,被告国が規制権限を行使することはできなかったので,規制をしなかったとしても責任を負わない」という主張になります。

また,被告東京電力は,準備書面(12)を陳述し,これまでの原告の主張に対する反論をしております。

原告からは,第18準備書面を陳述し,いわゆる「事故後の過失」について,以下のような主張を行いました。

①適切な避難指示義務違反

事故発生から1年以内に積算線量が1mSvに達する恐れのある区域あるいは地点について,それらを管轄する市町村長及び都道府県知事への指示を通じ,当該区域あるいは地点に存在した国民であるところの原告らに対し,事故後できる限り速やかに,遅くとも,米国から米軍機を用いて実施した航空機モニタリングのデータが外務省経由で文科省と保安院に伝達されていた3月18日には,避難指示をすべき義務(作為義務)を負っていたのに,これを行わなかった。

②生活支援義務違反

A.屋内退避者(屋内退避指示を受け屋内に退避した者)であった原告らについて3月15日の退避指示から4月22の指示解除まで,B.避難所入所者であった原告らについて避難所開設の間,C.区域外避難者(避難指示を受けずあるいは指示を解除された者)である原告らについて原発事故発生から現在まで,「健康で文化的な最低限度の生活を保障する義務(作為義務)を負っていたのに,A.屋内退避者に対し必要な食料品,生活用品を支給せず,B.避難所入所者に対し避難所開設の間,プライバシーが守られ,十分な面積が確保され,適切な温度湿度管理,騒音管理がなされ,適切な寝具のある生活空間を提供せず,栄養価のほか種類,味にも配慮した食事を提供せず,C.区域外避難者に対し,借上げ住宅のほか,生活用品の提供,移転先での健康や就職の相談体制の充実,小さい子どものいる家庭への子育て支援体制の充実などを図らなかった。

③情報提供義務違反について

放射性物質の拡散状況が判明しあるいは推測できた時点,遅くとも,米国から米軍機を用いて実施した航空機モニタリングのデータが外務省経由で文科省と保安院に伝達された3月18日には,事故発生から1年以内に積算線量が1mSvに達する恐れのある区域あるいは地点の住民であるところの原告らに対し,避難を指示するとともに,避難期間の見通し,とるべき避難方法・経路や避難場所等についての情報,原子力発電所の状況についての情報を提供する義務を負っていた。

また,これらの公務員は,全ての国民に対し,住宅密集地で500m四方のメッシュに区切り,それぞれ一軒ずつ住宅を選んで家の内外で測定することを実施した結果としての放射性物質の拡散状況の情報,環境から受ける放射線量,飲食物の汚染状況についての情報,LNT仮説ほか放射性物質の健康への影響についての情報を提供する義務(作為義務)を負っていた。

しかし,これらの義務を果たさなかった。

 これらの主張を一言で言うと,「本件事故発生後に,被告国が行うべきことを行っていなかった」ということを述べたものです。

今回の期日では,粕谷真生弁護士が原告第18準備書面の要旨について,意見陳述を行なっております。

口頭弁論終了後には今後の進行予定について,裁判所,原告,被告東京電力及び国の間で進行協議を行いました。

 

次回の口頭弁論は平成28年7月12日(火)の午後1時30分から,同じく山形地方裁判所本館4階第3号法廷にて行われる予定です。

次回は,被告東京電力及び被告国から,これまでの原告の主張に対する反論が行われる予定です。

原告からも,これまでの被告東京電力及び被告国の主張に対する反論を行う予定にしております。

原告となった被災者の方々を支援するためでも,ぜひとも裁判所に足を運んでいただいて,裁判の様子を見守っていただければありがたいです。

 

午後2時20分からは,会場を山形県弁護士会館に移し,記者会見が行われました。

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最初に安部敏団長が挨拶を行った後,外塚功事務局長から本日の期日の報告を行い,本日提出した原告第18準備書面についての詳細な説明を致しました。

また,山形まで応援に来て下さった,福島原発被害救済新潟県弁護団の遠藤達雄団長からもご挨拶を頂きました。

その後,向田敏事務局次長からADRの現状についても報告をさせていただきました。

合わせて,いわゆる自主的避難等対象区域からの避難者のADRについて,現在問題になっている点についても御報告をさせていただきました。

当弁護団でのADRにおいては,本日時点で485件の和解が成立しており,一度ADR申立てを行った方の第2次申立てについても増加しつつあります。

ADRでも一定額の支払を受けられるケースが多くなっておりますので,まだ一度もご相談をされたことがない被災者の方も,一度ADRの申立てを行った被災者の方も,まずは当弁護団にご相談していただければと思います。相談料は無料です。

 

 当弁護団では,今後も,原発事故による被災者の救済に,全力を挙げて取り組んで参ります。

 ADR申立て,及び訴訟への参加に関心を持たれた方や,まずは弁護士への相談を希望される方は,下記の問い合わせ先までご連絡をお願い致します。

 

各地区の問い合わせ先(電話番号)は以下のとおりです。

山形地区:023-634-1515 外塚功法律事務所  弁護士 外 塚   功

米沢地区:0238-40-0456 長岡克典法律事務所 弁護士 長 岡 克 典

庄内地区:0235-24-2543 わきやま法律事務所 弁護士 脇 山   拓

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